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挙式で使用される結婚行進曲は2曲あります
メンデルスゾーンのオペラ『真夏の夜の夢』の中で演奏される曲と、
ワーグナーのオペラ『ローエングリン』の中の「婚礼の合唱」です。
チャペル挙式では、入場にはワーグナーの曲、退場にはメンデルスゾーンの曲が使用される事が多いようです
この2曲には、思い出が・・・
大学時代のことでした。
私が学んだ大学には礼拝堂があり、卒業生カップルはこの礼拝堂で挙式ができました
ある時、その挙式でパイプオルガンを弾く事になりました
前日の夕方、牧師と新郎新婦と私でのリハーサル。
「入場にはワーグナーを使用します。テンポはゆっくり弾いて下さい。新郎新婦もゆっくり歩いて下さい」と牧師の指導のもと、私のワーグナーに合わせて二人が歩く練習を。
「退場にはメンデルスゾーンを使用しますが、式後の喜びを噛みしめるように元気に歩いて下さい。パイプオルガンもアップテンポで!」
さて、挙式当日
パイプオルガンはバージンロードに脊を向けて弾く構造の礼拝堂なので、挙式の際には「鏡」を使用します。パイプオルガンの楽譜を置く場所に小さな鏡を置き、その鏡に映る新郎新婦の姿や歩く速さを確認しながら弾くのです。
ワーグナーでの入場・・・バッチリ決まったゾ
賛美歌・・・バッチリ弾けたゾ
いよいよ最後のメンデルスゾーン。。。
牧師の指示通りにアップテンポで弾き始め、新郎新婦の動きをチェックするために鏡を見てビックリ
(ええっ~ もうあんな所まで行っちゃってる
)
新郎新婦が出口に到着しドアが開いた途端に終止音を弾き音楽を止める事になっており、昨夕それをリハーサルし(大体このフレーズで出口到着だから、ここで終止音を準備すればok)と計算していた私は大慌て
なんとか自然な形の終止音を弾き演奏を終了しました。
皆が退場した礼拝堂で、
「昨日のリハーサルで、元気に歩いて下さいとは言いましたが、あれ程足早に歩くとは思いませんでした。まるで走っているみたいでしたね
」と牧師
「私のテンポが早過ぎたのでしょうか」
「いやいや、よくある事なんですよ。生涯で一度の事だから緊張するものなのですよ。あなたも将来、きっとあの二人の気持ちが解りますよ」
残念なことに私は和装での式だった為に、この2曲にお世話になる事は無かったのですが、、、、あの時の二人は今頃どこでどうしているのかな、と思い出す事は度々あります